浜松医科大学医学部附属病院乳腺外科のwebsiteを訪れていただきありがとうございます。診療責任者の小泉圭と申します。当科では乳癌をはじめとする乳腺疾患全般の診断・治療はもとより、県内唯一の医学部に併設された大学附属病院として乳腺疾患の診療に関わる研究と、医学部学生の教育・研修を行っています。

　乳癌は女性が罹患する癌の中で最も多く、当院に受診される患者さまも年々増加しています。当院では内科・外科に分かれることなく、乳癌の診断から治療までを一貫して行っており、日本乳癌学会認定の乳腺専門医・指導医が在籍し、手術療法・薬物療法（内分泌療法、化学療法、分子標的治療）、放射線療法を組み合わせ専門性の高い診療を行っています。

　当院の特色として、遺伝性乳癌卵巣癌総合診療基幹施設であるため遺伝性乳癌に対する遺伝学的検査やリスク低減手術を、遺伝専門医・認定遺伝カウンセラー・形成外科医師・乳癌看護認定看護師などとともに高い専門性をもって行っています。またJCOG乳癌グループや全国規模の乳癌臨床試験グループであるJBCRGの参加施設として、標準治療の確立のために多くの臨床研究に取り組んでいます。

　乳腺外科医の育成は大学病院の役割の一つであります。新専門医制度における乳腺外科専門医は、日本専門医機構で認められた外科専門医制度の外科サブスペシャルティの一つとして連動研修が認められています。当院は外科専門医プログラムの基幹施設であり、乳腺専門研修カリキュラムの基幹施設でもあるため、外科専門医研修から乳腺外科専門医研修までシームレスな研修を行うことが可能です。

　当科では「shared　decision　making（医療者と患者さんがエビデンス（科学的な根拠）を共有して一緒に治療方針を決定する、共有意思決定とも呼ばれる）」を診療科の中心的な考え方として患者さんそれぞれに合った治療を共に考えることができるように、そして「Academic　Surgeon」として志の高い医師を目指せるように医学部附属病院としての役割を果たしていきます。

浜松医科大学医学部附属病院　乳腺外科
科長　小泉 圭